世界傑作文学100選

19世紀・南北アメリカ

物語集

作者
エドガー・アラン・ポー
国・地域
アメリカ合衆国
言語
英語
成立
1832–1849年

あらすじ

エドガー・アラン・ポーが19世紀アメリカ文学に刻んだ短編群であり、恐怖と幻想の文学を確立した。『アッシャー家の崩壊』は没落する一族の宿命を描き、『黒猫』や『告げ口心臓』では罪悪感が狂気へと転化する過程を緻密に描写する。彼の物語は心理の闇を探求し、理性では制御できぬ不安を形象化した。加えて『モルグ街の殺人』は近代探偵小説の原型を提示し、推理と分析の快楽を示す。詩的文体と論理性が共存する独特の作品群は、後世の文学や映画に計り知れぬ影響を与えた。恐怖は単なる娯楽でなく、人間存在の脆さと無意識の深淵を映す鏡であることを、ポーは鮮烈に描き出した。

豆知識

  • 「モルグ街の殺人」(1841年)は推理小説の始まりとされ、探偵デュパンはシャーロック・ホームズの先駆けになった。
  • 詩「大鴉」は大評判になったが、ポーが受け取った原稿料はわずか9ドルほどだったと伝えられている。
  • ポーは1849年、ボルティモアの路上で他人の服を着て錯乱した状態で見つかり、数日後に亡くなった。死因は今もわかっていない。

日本語で読むなら

  • 『ポー短編集』巽孝之訳新潮文庫・全3冊
  • 『黄金虫・アッシャー家の崩壊 他九篇』八木敏雄訳岩波文庫

この作品が好きなら

  • フィクション集(ホルヘ・ルイス・ボルヘス)

    ボルヘスはポーを敬愛し、推理小説の形式を自作に取り入れた

  • カフカ短篇集(フランツ・カフカ)

    短い形式で悪夢のような世界を描く短編の名手

  • 白鯨(ハーマン・メルヴィル)

    同時代のアメリカ文学。狂気と執念が物語を動かす

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