イーダの長い夜
エルサ・モランテ
イタリア · イタリア語
1974
あらすじ
イタリアの作家エルサ・モランテが第二次世界大戦下のローマを舞台に描いた長編である。未亡人イーダは息子を育てながら、戦火と空襲の恐怖に翻弄される。彼女は軍人との短い関係からもう一人の息子ウーゼペを授かるが、彼の存在はイーダの人生に苦難と同時に希望をもたらす。物語は市井の庶民の視点から戦争の暴力と飢餓を描き、国家やイデオロギーの大義とは無縁の「生き延びること」の切実さを浮かび上がらせる。母と子の絆は過酷な状況下で試され、喪失と犠牲を経て人間の尊厳を守ろうとする姿が胸を打つ。モランテは叙情的な筆致と冷徹な観察を交え、戦争文学を超えた普遍的な人間ドラマを創出した。
豆知識
1.
イタリアの作家エルサ・モランテによる長編で、第二次大戦期のローマが舞台。
2.
史的事実と市井の人々の生活が交錯する構成が特徴。
3.
刊行直後からベストセラーとなり、社会的議論を呼んだ。