古代・アジア・中東・アフリカ
シャクンタラー
- 作者
- カーリダーサ
- 国・地域
- インド
- 言語
- サンスクリット語
- 成立
- 300–500年
あらすじ
インド古典文学の巨匠カーリダーサによる叙情劇であり、サンスクリット文学の金字塔とされる。王ドゥシャンタは森で美しい娘シャクンタラーと出会い恋に落ち、密かに結婚する。しかし彼が王宮に戻った後、聖者の呪いにより彼は彼女の存在を忘れてしまう。シャクンタラーは苦難のなかで息子を出産し、やがて運命の導きによって再会を果たす。物語は恋愛と誤解、別離と再会を軸に展開し、自然描写の繊細さと抒情詩の響きに満ちている。劇は人間の愛と神々の意志が交錯する叙事的広がりをもち、インド文化における運命観や倫理観を体現する。東洋文学の古典として世界的にも高く評価されている作品である。
豆知識
- 1789年にウィリアム・ジョーンズが英訳し、それを読んだゲーテは賛辞の詩を書いた。『ファウスト』の「舞台での前狂言」は、この戯曲の序幕にならったとされる。
- 物語の鍵は指輪である。呪いでシャクンタラーのことを忘れた王は、魚の腹から出てきた指輪を見てすべてを思い出す。
- シャクンタラーの息子バラタは、インドの正式な国名の一つ「バーラト」の由来とされる。
日本語で読むなら
- 『シャクンタラー姫』辻直四郎訳岩波文庫