20世紀・ヨーロッパ
審判
- 作者
- フランツ・カフカ
- 国・地域
- チェコスロバキア
- 言語
- ドイツ語
- 成立
- 1925年
あらすじ
フランツ・カフカが遺稿として残した長編小説であり、近代の不条理を象徴する物語である。主人公ヨーゼフ・Kはある朝、理由も知らされぬまま逮捕され、裁判にかけられる。彼は抗弁を試みるが、裁判所は迷宮のように不透明で、規則も手続きも理解不能である。弁護人や画家との関わりも実を結ばず、彼は次第に無力感にとらわれる。最終的にKは石切り場で処刑され、「犬のように」と蔑まれて生を終える。物語は罪の所在を示さず、法の無慈悲さと人間存在の孤立を強調する。『審判』は20世紀文学において、権力構造の不可解さと人間の不安を描く象徴的テキストとして読み継がれている。
豆知識
- カフカは親友マックス・ブロートに遺稿をすべて焼くよう頼んでいたが、ブロートはそれに従わず出版した。
- 主人公ヨーゼフ・Kは30歳の誕生日の朝に逮捕され、31歳の誕生日の前夜に処刑される。ちょうど1年間の物語である。
- 1962年、オーソン・ウェルズが監督し、自らも弁護士役で出演して映画化した。
日本語で読むなら
- 『審判』辻瑆訳岩波文庫
- 『訴訟』丘沢静也訳光文社古典新訳文庫
- 『審判』池内紀訳白水uブックス