荒野の悪魔
ギマランエス・ローザ
ブラジル · ポルトガル語
1956
あらすじ
ブラジル文学を代表するギマランエス・ローザの長編であり、荒野と人間の魂をめぐる寓話的物語である。語り手リオバルドは、無法地帯セルタォンで生きる群像を描きながら、自らが悪魔と契約を交わしたのではないかという不安を語る。物語は民間伝承、宗教的象徴、哲学的思索が入り混じり、善と悪、自由と宿命の境界を揺さぶる。登場人物たちは暴力と愛欲に翻弄されつつも、自然と共同体の中で生き抜く。言語は実験的かつ詩的であり、口承と文学の融合を試みた。ローザはブラジルの風土を宇宙的規模にまで拡張し、人間存在の根源を問いかける。『荒野の悪魔』はラテンアメリカ文学の革新を象徴する作品である。
豆知識
1.
ブラジル内陸部セルトンを舞台に、語り手リオバルドの回想独白で進む。
2.
新語や方言の多用など言語実験的特徴を持ち、ブラジル文学の金字塔とされる。
3.
悪魔との契約の真偽を曖昧にし、倫理と運命をめぐる問いを残す。