20世紀・ヨーロッパ
ブリキの太鼓
- 作者
- ギュンター・グラス
- 国・地域
- ドイツ
- 言語
- ドイツ語
- 成立
- 1959年
あらすじ
ギュンター・グラスの代表作であり、第二次世界大戦と戦後ドイツを風刺的に描く。主人公オスカルは三歳で成長を拒み、以後小人の姿のまま生き続ける。彼の唯一の武器はブリキの太鼓であり、打ち鳴らすことで周囲の偽善や欺瞞を暴き出す。物語はナチズムの狂気と戦後社会の偽りを、オスカルの歪んだ視点を通して映し出す。奇想とグロテスクな描写は現実の不条理を逆照射し、歴史の記録ではなく寓話としての真実を提示する。グラスは過去の責任と記憶の継承を問うと同時に、文学の可能性を拡張した。『ブリキの太鼓』は戦後ドイツ文学の出発点とされ、ノーベル賞受賞作家の代表的成果である。
豆知識
- 主人公オスカルは3歳の誕生日に自ら地下室の階段から落ち、それを口実に成長を止める。叫び声でガラスを割るという能力も持っている。
- 1979年のフォルカー・シュレンドルフ監督の映画版は、カンヌ映画祭のパルム・ドールとアカデミー外国語映画賞をともに受賞した。
- グラスは1999年にノーベル文学賞を受賞したが、2006年に10代で武装親衛隊に所属していたことを自ら明かし、大きな論争になった。
日本語で読むなら
- 『ブリキの太鼓』高本研一訳集英社文庫
- 『ブリキの太鼓』池内紀訳河出書房新社