世界傑作文学100選

19世紀・ヨーロッパ

ファウスト

作者
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
国・地域
ザクセン=ワイマル
言語
ドイツ語
成立
1808–1832年

あらすじ

ゲーテの畢生の大作であり、西欧文学の頂点に位置づけられる悲劇である。学者ファウストは知識の限界に絶望し、悪魔メフィストフェレスと契約を交わす。若さと快楽を得た彼はグレートヒェンとの悲劇的な恋を経て、やがて政治や文明建設に関与する。最終的に彼は人類の幸福を希求しつつ倒れ、その魂は救済される。作品は個人の欲望と普遍的使命、悪との契約と救済の可能性を壮大に描き、哲学・宗教・芸術を総合した世界劇となっている。ゲーテは長年にわたり改稿を重ね、青春の情熱から晩年の叡智までを込めた。『ファウスト』は人間精神の遍歴そのものであり、文学史上不朽の象徴である。

豆知識

  • ゲーテは20代で書き始め、第二部を書き上げたのは亡くなる前年の1831年だった。完成まで約60年かかっている。
  • ゲーテは完成した第二部を封印し、自分の死後に出版するよう指示した。
  • 16世紀ドイツに実在した錬金術師・占星術師ヨハン・ゲオルク・ファウストの伝説がもとになっている。

日本語で読むなら

  • 『ファウスト』高橋義孝訳新潮文庫・全2冊
  • 『ファウスト』池内紀訳集英社文庫・全2冊

この作品が好きなら

  • 神曲(ダンテ・アリギエーリ)

    人間の魂の救済をめぐる、ヨーロッパ文学のもう一つの巨峰

  • 荒野の悪魔(ジョアン・ギマランイス・ローザ)

    悪魔との契約というファウストの主題を、ブラジルの荒野に移した作品

  • 魔の山(トーマス・マン)

    トーマス・マンはゲーテを生涯意識し続けたドイツ語作家

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