世界傑作文学100選

19世紀・北欧・ロシア

死せる魂

作者
ニコライ・ゴーゴリ
国・地域
ロシア
言語
ロシア語
成立
1842年

あらすじ

ロシア作家ゴーゴリによる風刺的長編であり、帝政ロシア社会の矛盾を鋭く描く。主人公チチコフは、死んだ農奴を帳簿上で買い集め、財産として担保にして出世を企む。この奇妙な商法は社会の制度的欠陥を突くものであり、地主たちの強欲や愚昧さを炙り出す。物語は滑稽な挿話と奇矯な人物描写で彩られ、笑いの裏に社会の腐敗と停滞を映す。未完に終わったが、その未完成性自体がロシア文学の開かれた問いを象徴する。ゴーゴリは人物の滑稽さの中に人間存在の不安を織り込み、風刺と幻想を融合させた。『死せる魂』は単なる喜劇を超え、近代国家の病理を照射する大いなる文学実験である。

豆知識

  • 着想はプーシキンから譲られたものだと、ゴーゴリ自身が書き残している。
  • 「死せる魂」とは、帳簿の上では次の人口調査まで生きていることになっている死んだ農奴のこと。主人公チチコフはそれを安く買い集め、担保にして金を借りようとする。
  • ゴーゴリは1852年、亡くなる10日ほど前に、第二部の原稿を暖炉で焼き捨てた。

日本語で読むなら

  • 『死せる魂』平井肇・横田瑞穂訳岩波文庫・全3冊

この作品が好きなら

販売ページを見る