果樹園
サアディー
イラン · ペルシア語
1257
あらすじ
ペルシア詩人サアディーによる『果樹園』は、詩と散文を交えた教訓文学である。物語や寓話を通じて人間の徳や道徳、社会的規範が説かれるが、説教臭さに終わらず、機知とユーモアに満ちている。王と庶民、師と弟子の逸話が並置され、人間の愚かさや知恵が対照的に示される。サアディーは人間の弱さを見つめつつ、慈愛と寛容を根底に据えた倫理観を提示する。その語り口は優雅でありながら鋭く、日常の一場面から普遍的真理を導き出す。『果樹園』は東洋の知恵の書として広く読まれ、異文化の橋渡しとして世界文学史においても重要な位置を占める。
豆知識
1.
1257年成立のペルシア語教訓詩で、二行連詩(マスナヴィー)形式。
2.
翌年の『薔薇園(グリースターン)』と並び、道徳教育の古典とされた。
3.
ペルシア語圏で広く教科書的に読まれ、格言や逸話が文化に定着した。