20世紀・ヨーロッパ
白の闇
- 作者
- ジョゼ・サマラーゴ
- 国・地域
- ポルトガル
- 言語
- ポルトガル語
- 成立
- 1995年
あらすじ
ジョゼ・サマラーゴの『白の闇』は、突然の伝染病により人々が視力を失うという寓話的設定から始まる。盲目が広がる社会で、隔離施設に収容された人々は秩序を失い、暴力と混乱に陥る。唯一視力を保つ女性が存在し、彼女は絶望の中で他者を導く役割を担う。物語は文明の脆さと人間性の暗部を暴きつつ、同時に連帯と希望の可能性を描き出す。サマラーゴ特有の長大で流れるような文体は、読者を混沌とした状況に没入させる。『白の闇』は単なる黙示録的寓話ではなく、人間社会の本質を問う普遍的な作品として高く評価されている。
豆知識
- 登場人物には名前がなく、「医者」「医者の妻」「サングラスの娘」のように呼ばれる。
- 2008年にフェルナンド・メイレレス監督で『ブラインドネス』として映画化され、日本からは伊勢谷友介と木村佳乃が出演した。
- 2004年には同じ首都を舞台に、市民の大半が白票を投じる選挙を描いた続編を発表している。
日本語で読むなら
- 『白の闇』雨沢泰訳河出文庫