20世紀・ヨーロッパ
ノストローモ
- 作者
- ジョセフ・コンラッド
- 国・地域
- イギリス
- 言語
- 英語
- 成立
- 1904年
あらすじ
ジョセフ・コンラッドの『ノストローモ』は、架空の南米国家コスタグアナを舞台に、帝国主義と資本の力が人間を翻弄する様を描く。鉱山の銀をめぐる利害が国の命運を左右し、労働者や革命家、外国資本家が入り乱れる。題名のノストローモは信頼厚い港湾労働者で、彼もまた銀の重みによって運命を狂わされる。物語は冒険小説の形をとりながら、資本主義と権力の構造を冷徹に暴き出す。コンラッド特有の複雑な語りと陰影は、人間の欲望と裏切りを深く刻む。『ノストローモ』は近代世界システムの縮図としての小説であり、植民地主義と資本の支配がいかに人間の精神を侵すかを描いた傑作である。
豆知識
- 舞台の架空の国コスタグアナには、パナマ運河をめぐる当時の中南米の政治情勢が反映されている。
- コンラッドはポーランド生まれで、英語を学び始めたのは20歳を過ぎてからだった。
- 題名の「ノストローモ」は、イタリア語の「我らの男」をなまらせたあだ名である。