19世紀・ヨーロッパ
赤と黒
- 作者
- スタンダール
- 国・地域
- フランス
- 言語
- フランス語
- 成立
- 1830年
あらすじ
スタンダールの『赤と黒』は、復古王政期フランスを背景に、野心と恋愛が交錯する心理小説である。主人公ジュリアン・ソレルは貧しい大工の息子でありながら、教養と野心によって上昇を望む。彼は家庭教師として貴婦人ド・レナル夫人と恋に落ち、その後は社交界で野心を燃やすが、階級差と社会的制約が彼を追い詰める。最終的に彼は絶望的な行動に走り、裁判の末に処刑される。赤は軍人、黒は聖職者の象徴であり、彼の二重の野心を示す。スタンダールは冷徹な観察と心理描写によって、個人の欲望と社会の虚偽を描き、近代小説の新たな地平を切り開いた。『赤と黒』は情熱と野心の悲劇を鮮烈に刻む傑作である。
豆知識
- 1827年に実際に起きた「ベルテ事件」(元神学生がかつての雇い主の夫人を教会で撃った事件)が下敷きになっている。
- 同時代にはあまり理解されず、スタンダールは「自分の本は1880年ごろに読まれるだろう」と書いた。
- スタンダールは筆名で、本名はアンリ・ベール。ナポレオン軍に加わり、モスクワ遠征にも従軍した。
日本語で読むなら
- 『赤と黒』小林正訳新潮文庫・全2冊
- 『赤と黒』野崎歓訳光文社古典新訳文庫・全2冊