崩れゆく絆
アチェべ
ナイジェリア · 英語
1958
あらすじ
ナイジェリアの作家アチェべによる代表作であり、植民地支配に直面するイボ社会の崩壊を描く。主人公オコンコウは力強く戦士として名声を得た男であり、伝統的価値観に固執して生きる。しかし白人宣教師と植民地行政が村に進出すると、古来の信仰や共同体の規範が揺らぎ始める。息子はキリスト教に改宗し、仲間は植民地体制に順応していく中、オコンコウは孤立を深める。彼の頑なな態度は次第に悲劇を招き、最後には自死という形で人生を閉じる。小説は西洋文明とアフリカ土着文化の衝突を鋭く描き、ただ一人の英雄の転落劇にとどまらず、共同体全体の運命を象徴する。言葉の力と伝承の響きが重層的に織り込まれた、近代アフリカ文学の出発点とされる作品である。
豆知識
1.
植民地支配を現地の視点で描いた最初期のアフリカ小説。
2.
タイトルはイェイツの詩「再臨」から引用。
3.
英語で書かれたがイボ族の口承文化を多用。