中世・ヨーロッパ
カンタベリー物語
- 作者
- ジェフリー・チョーサー
- 国・地域
- イングランド
- 言語
- 英語
- 成立
- 1380–1400年
あらすじ
ジェフリー・チョーサーの『カンタベリー物語』は、中世イングランドの巡礼団が物語を語り合う枠組みを持つ連作物語詩である。騎士、修道女、粉挽き職人、商人など多様な階層の人々が登場し、それぞれの物語を披露することで社会の縮図を形成する。騎士道物語から卑俗な逸話まで幅広く、笑いと風刺が織り交ぜられている。チョーサーは中英語を用い、庶民の声を文学に取り込むことで英文学の基盤を築いた。物語は完結していないが、その未完性さえも多声的世界の象徴として機能する。『カンタベリー物語』は中世文学の豊穣さと人間性の普遍性を体現する傑作である。
豆知識
- 当初の構想では約30人の巡礼者が1人4話ずつ語るはずだったが、書かれたのは24話ほどにとどまった。
- 当時の文学で主流だったラテン語やフランス語ではなく英語で書かれ、チョーサーは「英詩の父」と呼ばれる。
- チョーサーはウェストミンスター寺院に葬られ、そこから詩人たちを祀る「詩人のコーナー」が始まった。
日本語で読むなら
- 『カンタベリー物語』桝井迪夫訳岩波文庫・全3冊