19世紀・ヨーロッパ
大いなる遺産
- 作者
- チャールズ・ディケンズ
- 国・地域
- イギリス
- 言語
- 英語
- 成立
- 1861年
あらすじ
チャールズ・ディケンズの『大いなる遺産』は、孤児ピップの成長と挫折を描いた教養小説である。貧しい少年ピップは謎の後援者から財産を与えられ、紳士となる夢を追う。彼はエステラへの恋や社交界での経験を通じて野心を募らせるが、やがて富と地位が幸福を保証しないことを悟る。物語は階級と人間性の問題を描き、虚栄や欲望の危うさを浮かび上がらせる。ディケンズは社会の矛盾を背景に、善意と贖罪の力を強調する。最終的にピップは真の友情と誠実さを学び取り、成熟へと至る。『大いなる遺産』はディケンズ文学の円熟を示す作品であり、ヴィクトリア朝小説の代表格である。
豆知識
- 週刊誌に連載された。ディケンズは友人の作家ブルワー=リットンの意見を聞いて、結末をより明るいものに書き直した。
- 屋敷のすべての時計を止め、ウエディングドレスを着たまま暮らすミス・ハヴィシャムは、英文学屈指の印象的な人物とされる。
- ディケンズ自身も少年時代、父が借金で投獄され、靴墨工場で働いた経験を持つ。
日本語で読むなら
- 『大いなる遺産』山西英一訳新潮文庫・全2冊
- 『大いなる遺産』佐々木徹訳河出文庫・全2冊