19世紀・北欧・ロシア
悪霊
- 作者
- フョードル・ドストエフスキー
- 国・地域
- ロシア
- 言語
- ロシア語
- 成立
- 1872年
あらすじ
『悪霊』はロシアにおける急進思想と革命運動の混乱を風刺的に描いたドストエフスキーの長編である。地方都市に革命思想が流入し、若者たちは無政府主義や虚無主義に染まっていく。中心人物ピョートルは策謀を巡らし、混乱を煽動する。物語は暗殺や暴動へと発展し、破壊的な思想の末路を赤裸々に描く。ドストエフスキーは思想の魅力と危険性を同時に提示し、信仰の欠如と虚無の広がりを告発した。『悪霊』は時代の写し鏡であるとともに、現代にも通じるイデオロギーの問題を孕む重厚な作品である。
豆知識
- 1869年、革命家ネチャーエフが仲間の学生を殺害した事件がモデルになっている。
- 題名とエピグラフは、悪霊が豚の群れに乗り移り、湖になだれ込んで溺れるというルカ福音書の一節から取られている。
- スタヴローギンの告白を含む章「チーホンのもとで」は、雑誌掲載時に編集者から拒否され、作者の生前には発表されなかった。
日本語で読むなら
- 『悪霊』江川卓訳新潮文庫・全2冊
- 『悪霊』亀山郁夫訳光文社古典新訳文庫・全3冊