世界傑作文学100選

20世紀・ヨーロッパ

ベルリン・アレクサンダー広場

作者
アルフレート・デーブリーン
国・地域
ドイツ
言語
ドイツ語
成立
1929年

あらすじ

1929年、ドイツ文学に新たな地平を開いたモダニズム小説である。主人公フランツ・ビーバーコップは、殺人で服役した後に出所し、再び真っ当な人生を歩もうと決意する。しかしベルリンの下層社会は彼を容赦なく呑み込み、暴力、裏切り、犯罪の渦に巻き込んでいく。デーブリーンは都市の雑踏やラジオ、新聞記事をコラージュのように文体に組み込み、断片的で圧倒的な都市の声を描き出す。ビーバーコップは再起を試みるたびに堕落し、恋人の死によって絶望の淵に追い込まれる。だが最後には人間としてのわずかな尊厳を取り戻し、新しい生の境地に至る。作品はヴァイマル期のベルリンの混沌を背景に、人間の弱さと希望を描く壮大な都市叙事詩である。

豆知識

  • 1980年、ファスビンダー監督が全14話・15時間を超えるテレビドラマにした。
  • デーブリーンは、ベルリン東部の労働者街で開業していた医師だった。その土地勘が作品の下地になっている。
  • 本文には新聞記事や広告、天気予報、路面電車の案内などがそのまま貼り込まれ、映画のモンタージュのような効果を生んでいる。

日本語で読むなら

  • 『ベルリン・アレクサンダー広場』早崎守俊訳河出書房新社

この作品が好きなら

  • ユリシーズ(ジェイムズ・ジョイス)

    一つの都市を多声的なモンタージュで描く手法。デーブリーンはジョイスの影響を受けた

  • 夜の果てへの旅(ルイ=フェルディナン・セリーヌ)

    戦間期の都市の底辺をさまよう男の語り

  • ブリキの太鼓(ギュンター・グラス)

    20世紀ドイツの歴史を庶民の目から描く

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