運命論者ジャックとその主人
ドニ・ディドロ
フランス · フランス語
1796
あらすじ
ディドロの『運命論者ジャックとその主人』は、啓蒙時代の自由な精神を体現する風刺的対話小説である。旅の途上にある主人と従者ジャックは、偶然と必然をめぐる哲学的議論を交わしつつ、数々の逸話や挿話に遭遇する。ジャックは「すべては運命に書かれている」と主張するが、その語りは軽妙でユーモラスに展開される。物語はしばしば中断され、別の逸話に飛び、読者は予測不能な展開に翻弄される。ディドロは小説形式そのものを遊戯的に解体し、自由な思考を表現した。作品は理性と懐疑の精神を融合させ、啓蒙の文学に新たな地平を開いた。『運命論者ジャックとその主人』は、近代小説の実験性を先駆的に示した作品である。
豆知識
1.
対話体で展開し、主人と従者の掛け合いが哲学的議論に発展する構成。
2.
自由意志と決定論をめぐる議論を物語化しており、啓蒙思想を象徴する。
3.
のちの近代小説にみられるメタフィクション的要素を先取りしている。