世界傑作文学100選

20世紀・南北アメリカ

ビラヴド

作者
トニ・モリスン
国・地域
アメリカ合衆国
言語
英語
成立
1987年

あらすじ

トニ・モリスンの『ビラヴド』は、奴隷制度の記憶とトラウマを描いたアメリカ文学の金字塔である。逃亡奴隷セスは娘を殺して自由を選んだ過去を持ち、その家に謎の少女ビラヴドが現れる。彼女は死んだ娘の亡霊であり、抑圧された記憶が具現化した存在である。物語は過去と現在が交錯し、暴力と喪失、母と子の絆が生々しく描かれる。モリスンは魔術的リアリズムを用い、奴隷制の歴史的現実を詩的かつ幻想的に再構築した。『ビラヴド』は歴史と個人の記憶の交錯を描き、アフリカ系アメリカ人の声を文学の中心に据えた。人間の尊厳と記憶の力を問い直す深遠な作品である。

豆知識

  • 1856年、逃亡した奴隷マーガレット・ガーナーが、追っ手に捕まる直前にわが子を手にかけた実際の事件がもとになっている。
  • 1988年にピュリッツァー賞を受賞した。モリスンは1993年、アフリカ系アメリカ人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した。
  • 1998年、オプラ・ウィンフリーの製作・主演で映画化された。

日本語で読むなら

  • 『ビラヴド』吉田廸子訳ハヤカワepi文庫

この作品が好きなら

  • ハックルベリー・フィンの冒険(マーク・トウェイン)

    奴隷制がアメリカに残した傷を描く

  • 見えない人間(ラルフ・エリスン)

    アメリカの人種と個人をめぐる物語

  • 響きと怒り(ウィリアム・フォークナー)

    時間を行き来する語り。モリスンはフォークナーについて修士論文を書いた

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