19世紀・北欧・ロシア
戦争と平和
- 作者
- レフ・トルストイ
- 国・地域
- ロシア
- 言語
- ロシア語
- 成立
- 1865–1869年
あらすじ
トルストイの『戦争と平和』は、ナポレオン戦争期のロシアを舞台に、歴史と個人の運命を重層的に描いた大河小説である。ロストフ家、ボルコンスキー家、そしてペーチャ家などの貴族たちが登場し、戦争と日常、愛と喪失の狭間で生を営む。アンドレイ公爵は戦場で理想と現実の乖離に苦悩し、ピエールは人生の意味を求めて遍歴する。戦闘場面は壮大でありながら、個々の心理描写は繊細で、歴史と個人が交錯する瞬間を刻み込む。トルストイは歴史を英雄や指導者ではなく無数の人々の行為の総体として捉え、史観を文学に投影した。『戦争と平和』は歴史小説の極致であり、同時に人間存在の深遠を探る哲学的作品である。
豆知識
- 冒頭は、当時のロシア貴族の日常語だったフランス語の会話で始まる。
- 妻ソフィアは、トルストイの読みにくい原稿を何度も清書した。その回数は7回に及んだとも言われる。
- トルストイ自身は「これは長編小説ではない」と書き、既存のジャンルに収まらない作品だと考えていた。
日本語で読むなら
- 『戦争と平和』工藤精一郎訳新潮文庫・全4冊
- 『戦争と平和』藤沼貴訳岩波文庫・全6冊