世界傑作文学100選

19世紀・北欧・ロシア

イワン・イリイチの死

作者
レフ・トルストイ
国・地域
ロシア
言語
ロシア語
成立
1886年

あらすじ

『イワン・イリイチの死』は、官僚として平凡に生きた男の死の過程を描く短編である。イワン・イリイチは病に侵され、死の恐怖に直面する。周囲の人々は彼の死を形式的に扱い、彼自身も最初は否認するが、やがて恐怖と孤独を深めていく。死の直前に彼は人生の虚偽を悟り、真実の光を垣間見る。物語は死を通じて生の意味を問い、読者に根源的な省察を促す。トルストイは簡潔で抑制された文体を用い、死の不可避性と人間の精神的変容を鮮烈に描き出した。『イワン・イリイチの死』は、死を見つめることで生の価値を再発見させる不朽の名作である。

豆知識

  • トゥーラの地方裁判所の検事イワン・イリイチ・メチニコフの死がモデルで、トルストイは彼の兄から最期の様子を聞いた。
  • 物語は、主人公の死の知らせを受けた同僚たちが、空いたポストを誰が継ぐかを考える場面から始まる。
  • 宗教的な回心を経たトルストイが、その後に発表した最初の本格的な小説作品である。

日本語で読むなら

  • 『イワン・イリイチの死』米川正夫訳岩波文庫
  • 『イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ』望月哲男訳光文社古典新訳文庫

この作品が好きなら

  • ヨブ記(作者不明)

    理由のわからない苦しみと死に向き合う

  • チェーホフ・ユモレスカ(アントン・チェーホフ)

    同時代のロシアの作家。チェーホフはトルストイを敬愛していた

  • 戦争と平和(レフ・トルストイ)

    同じトルストイの大長編

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