世界傑作文学100選

20世紀・アジア・中東・アフリカ

わが町内の子供達

作者
ナギーブ・マフフーズ
国・地域
エジプト
言語
アラビア語
成立
1959年

あらすじ

ナギーブ・マフフーズの『わが町内の子供達』は、宗教的寓話と社会批判を融合させた20世紀アラブ文学の代表作である。物語はカイロの下町を舞台に、アダム、モーセ、イエス、ムハンマドに相当する人物たちが登場し、人類史を寓話的に再現する。町内は貧困と暴力に支配され、住民は権力者や暴徒に翻弄される。作品は神話的構造を持ちながらも、現代エジプト社会の不正や抑圧を鋭く告発する。マフフーズは宗教的象徴を用いて、人間の自由と正義への希求を普遍的に描いた。その挑発的内容は発禁や攻撃を招いたが、文学的価値は揺るがず、ノーベル賞受賞の一因ともなった。『わが町内の子供達』は寓話的手法で現代社会を照射する傑作である。

豆知識

  • 1959年にエジプトの新聞に連載されたが、預言者たちを寓意的に描いたとして宗教界から非難され、エジプト国内では長く単行本化されなかった。
  • マフフーズは1988年、アラビア語で書く作家として初めてノーベル文学賞を受賞した。
  • 1994年、マフフーズはこの作品を理由に過激派に首を刺され、重傷を負った。

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