飢え
ハムスン
ノルウェー · ノルウェー語
1890
あらすじ
クヌート・ハムスンの『飢え』は、近代文学における内面描写の先駆けとされる小説である。主人公は無名の作家志望の青年で、クリスチャニアの街を彷徨いながら極度の飢えと貧困に苛まれる。彼の意識は飢餓による幻覚や妄想に揺さぶられ、現実と幻想の境界は曖昧になる。物語は筋立てよりも心理の断片的描写を重視し、人間存在の不安と孤独を赤裸々に示す。ハムスンは近代人の主観的意識を徹底的に追い、後のモダニズム文学に大きな影響を与えた。『飢え』は文学が外的事件ではなく内面の体験を描くことに可能性を見いだした記念碑的作品である。
豆知識
1.
飢えと創作欲求をめぐる極限的状況を主人公の独白で描く。
2.
心理描写が徹底され、モダニズム文学の先駆けとされる。
3.
都市を舞台にした孤独と貧困の表現が新しい文学形式を切り開いた。