世界傑作文学100選

20世紀・南北アメリカ

ペドロ・パラモ

作者
フアン・ルルフォ
国・地域
メキシコ
言語
スペイン語
成立
1955年

あらすじ

フアン・ルルフォの『ペドロ・パラモ』は、死者の声が響く幻影的世界を舞台にしたラテンアメリカ文学の傑作である。主人公フアン・プレシアードは、死んだ母の願いに従い父ペドロ・パラモを探して故郷コマラを訪れる。しかし町は死者の魂に満ち、生と死の境界は曖昧に溶け合う。物語は断片的な語りで構成され、現実と幻想が交錯する。ペドロ・パラモは暴君的地主として描かれ、愛と暴力が渦巻く過去が亡霊の声を通して語られる。ルルフォは簡潔で詩的な文体を駆使し、死と記憶の重層性を描いた。『ペドロ・パラモ』は魔術的リアリズムの先駆として、ラテンアメリカ文学の礎を築いた作品である。

豆知識

  • 短い長編だが、70ほどの断片に分かれ、生者と死者の声が時系列を行き来する。
  • ルルフォが生涯に出版した本は、この小説と短編集『燃える平原』の2冊だけだった。
  • ボルヘスは「スペイン語で書かれた、いや、あらゆる文学の中でも最高の小説の一つ」と評した。

日本語で読むなら

  • 『ペドロ・パラモ』杉山晃・増田義郎訳岩波文庫

この作品が好きなら

  • 百年の孤独(ガブリエル・ガルシア・マルケス)

    ガルシア・マルケスはペドロ・パラモを暗唱できるほど読み込んだと語っている

  • 響きと怒り(ウィリアム・フォークナー)

    死者と生者の声が入り混じり、時間が行き来する語り

  • 荒野の悪魔(ジョアン・ギマランイス・ローザ)

    同じラテンアメリカの、荒野を舞台にした語りの文学

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