世界傑作文学100選

20世紀・南北アメリカ

アブサロム、アブサロム!

作者
ウィリアム・フォークナー
国・地域
アメリカ合衆国
言語
英語
成立
1936年

あらすじ

フォークナーの『アブサロム、アブサロム!』は、南部の神話と歴史を交錯させた大河的叙事である。スートペンという男が築いた荘園の栄華と崩壊が、多様な語り手によって繰り返し語られる。彼の野望と血統への執念は、奴隷制や人種問題と結びつき、破滅的な運命を招く。物語は断片的で矛盾を含み、真実は曖昧なまま残されるが、その多声性が歴史の不確実性を象徴する。フォークナーは南部社会の罪と記憶を重層的に描き出し、アメリカ文学における歴史意識の核心を提示した。『アブサロム、アブサロム!』はフォークナー文学の頂点とされる傑作である。

豆知識

  • 題名は、反逆して死んだ息子を嘆くダビデ王の言葉「わが子アブサロム、アブサロム」(旧約聖書)から取られている。
  • フォークナーの多くの作品の舞台である架空の「ヨクナパトーファ郡」の地図が、作者自身の手で巻末に付けられている。
  • 1000語を超える一文があり、文学史上最も長い文の一つとしてギネスブックに載ったことがある。

日本語で読むなら

  • 『アブサロム、アブサロム!』藤平育子訳岩波文庫・全2冊

この作品が好きなら

  • 響きと怒り(ウィリアム・フォークナー)

    同じフォークナーの代表作。クエンティン・コンプソンが両作に登場する

  • 嵐が丘(エミリ・ブロンテ)

    屋敷と血筋にとりつかれた一族の物語

  • ブッデンブローク家の人々(トーマス・マン)

    一族が数世代かけて没落していく

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