19世紀・ヨーロッパ
ボヴァリー夫人
- 作者
- ギュスターヴ・フローベール
- 国・地域
- フランス
- 言語
- フランス語
- 成立
- 1857年
あらすじ
『ボヴァリー夫人』は、地方に暮らす女性エマの不満と破滅を描いたフローベールの代表作である。平凡な夫との結婚生活に倦怠を覚えたエマは、恋愛小説の幻想に浸り、不倫や浪費に走る。しかしその夢は現実に裏切られ、借金と絶望に追い詰められた彼女は自ら命を絶つ。物語はロマンティックな幻想と社会の現実との落差を鮮烈に描き、女性の欲望と閉塞感を普遍的なテーマとして提示する。フローベールは客観的で冷徹な文体を用い、小説の写実主義を確立した。『ボヴァリー夫人』は近代小説の原点として今もなお輝きを放つ作品である。
豆知識
- 雑誌連載後、「公衆道徳を害した」として作者と編集者が裁判にかけられたが、無罪となった。
- フローベールは一つの文を完成させるのに何日もかけ、書いた文を大声で読み上げて推敲した。その部屋は「怒鳴り部屋」と呼ばれた。
- 「ボヴァリー夫人は私だ」はフローベールの言葉として有名だが、本人が書き残した記録はなく、後世の伝聞である。
日本語で読むなら
- 『ボヴァリー夫人』芳川泰久訳新潮文庫