20世紀・南北アメリカ
フィクション集
- 作者
- ホルヘ・ルイス・ボルヘス
- 国・地域
- アルゼンチン
- 言語
- スペイン語
- 成立
- 1944–1956年
あらすじ
ホルヘ・ルイス・ボルヘスの『フィクション集』は、短編小説の形式を通じて無限、迷宮、記憶、鏡といったテーマを探求する革新的作品集である。「バベルの図書館」では無限の書物を収めた宇宙的図書館が描かれ、「トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス」では架空の世界が現実に侵食していく。物語は哲学的思考実験と物語芸術が融合し、現実と虚構の境界を揺さぶる。ボルヘスの精緻で簡潔な文体は、短い形式に無限の広がりを収める。『フィクション集』は20世紀文学における形而上学的寓話の頂点であり、読者に知的驚異を与える。
豆知識
- 「バベルの図書館」は、あらゆる文字の組み合わせを収めた無限の図書館を描く。ボルヘス自身も後にアルゼンチン国立図書館の館長を務めたが、その頃にはほとんど視力を失っていた。
- 「八岐の園」は、第一次世界大戦中のスパイ小説の形をとりながら、分岐し続ける時間を描いた短編である。
- 1961年、ベケットとともに国際出版社賞(フォルメントール賞)を受賞し、世界的に知られるようになった。
日本語で読むなら
- 『伝奇集』鼓直訳岩波文庫