世界傑作文学100選

近世・ヨーロッパ

エセー

作者
ミシェル・ド・モンテーニュ
国・地域
フランス
言語
フランス語
成立
1595年

あらすじ

ミシェル・ド・モンテーニュの『エセー』は、16世紀フランスにおいて人間と世界を自由に考察した随想集である。著者自身の経験や読書を素材に、死や教育、友情、宗教など多岐にわたるテーマが論じられる。モンテーニュは「私は何を知るか」という懐疑の精神を基盤とし、絶対的真理よりも自己の生の観察を重視した。個人的体験を普遍的考察へと昇華し、人間存在の複雑さと多様性を受け入れる態度を示す。『エセー』は近代的自我の誕生を告げ、随筆という文学形式を確立した。読者はそこに、時代を超えた思索と親密な語りを感じ取ることができる。

豆知識

  • モンテーニュは38歳で公職を退き、自分の城の塔にこもって書き始めた。書斎の天井の梁には、ギリシャ語やラテン語の格言が刻まれていた。
  • 「エセー」はフランス語で「試み」の意味で、英語の「エッセイ」の語源になった。
  • モンテーニュの座右の銘は「私は何を知っているか(ク・セ・ジュ)」だった。

日本語で読むなら

  • 『エセー』宮下志朗訳白水社・全7冊
  • 『エセー』原二郎訳岩波文庫・全6冊

この作品が好きなら

  • 不穏の書(フェルナンド・ペソア)

    断章の形で自分自身を観察し続けた20世紀の書物

  • ハドリアヌス帝の回想(マルグリット・ユルスナール)

    一人称で人生と死を省察する

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