20世紀・ヨーロッパ
ハドリアヌス帝の回想
- 作者
- マルグリット・ユルスナール
- 国・地域
- フランス/ベルギー
- 言語
- フランス語
- 成立
- 1951年
あらすじ
マルグリット・ユルスナールの『ハドリアヌス帝の回想』は、古代ローマ皇帝ハドリアヌスが自らの生涯を振り返るという形式をとった歴史小説である。皇帝は若き日の軍事経験から帝国統治の哲学、芸術への愛、そして若き恋人アントニヌスとの悲劇的な関係までを内省的に語る。物語は手紙という形で展開し、死を目前にした人間の省察と普遍的な知恵を湛える。ユルスナールは緻密な史料研究をもとに、古代の精神と現代的自我を融合させた。『ハドリアヌス帝の回想』は、権力者の告白を通じて生と死、愛と芸術、国家と個人の問題を深く問いかける、20世紀文学の傑作である。
豆知識
- ユルスナールは20代で書き始めたが、原稿を何度も破棄した。完成まで約25年かかっている。
- 死を前にした皇帝ハドリアヌスが、のちの皇帝となる少年マルクス・アウレリウスに宛てて書く手紙という形をとる。
- ユルスナールは1980年、女性として初めてアカデミー・フランセーズの会員に選ばれた。
日本語で読むなら
- 『ハドリアヌス帝の回想』多田智満子訳白水社