世界傑作文学100選

20世紀・南北アメリカ

見えない人間

作者
ラルフ・エリスン
国・地域
アメリカ合衆国
言語
英語
成立
1952年

あらすじ

ラルフ・エリスンの『見えない人間』は、20世紀アメリカにおける黒人のアイデンティティと人種差別を鋭く描いた小説である。主人公は「見えない人間」として、自らの存在が社会に認識されない屈辱を語る。彼は南部の黒人大学から北部の都市へと移り、政治運動や社会の矛盾に巻き込まれるが、いずれの場所でも真の自己を見出せない。物語はリアリズムと象徴性を融合させ、アメリカ社会の虚偽と暴力を告発する。エリスンは力強い文体で黒人経験の普遍性を示し、同時に個人の存在の孤独を描き出した。『見えない人間』は、アメリカ文学における人種と自由の問題を象徴する金字塔である。

豆知識

  • エリスンが生前に完成させた長編はこの一作だけで、2作目の原稿の一部は1967年の自宅の火事で失われた。
  • 1953年、全米図書賞を受賞した。黒人作家として初めての受賞だった。
  • 語り手はニューヨークの地下室で、電力会社からこっそり引いた電気で1369個の電球を灯して暮らしている。

日本語で読むなら

  • 『見えない人間』松本昇訳白水uブックス・全2冊

この作品が好きなら

  • ビラヴド(トニ・モリスン)

    アメリカの人種と個人をめぐる物語

  • ハックルベリー・フィンの冒険(マーク・トウェイン)

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  • 1984(ジョージ・オーウェル)

    個人が社会から「見えない」存在にされていく

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