世界傑作文学100選

20世紀・ヨーロッパ

息子と恋人

作者
D・H・ロレンス
国・地域
イギリス
言語
英語
成立
1913年

あらすじ

D・H・ロレンスの『息子と恋人』は、自伝的要素を含む長編であり、家族関係と恋愛を通して人間の成熟を描く。炭鉱町に生まれた青年ポールは、母親の強い愛情に縛られながらも、恋人ミリアムやクララとの関係に揺れる。母子の密接な関係は彼の精神的自立を妨げ、愛と欲望の葛藤を深めていく。物語は産業社会の労働環境や階級意識を背景に、個人の成長と葛藤をリアルに映し出す。ロレンスは心理描写に優れ、人間関係の複雑さを鮮烈に描いた。『息子と恋人』は近代小説の金字塔であり、母子関係と愛の問題を普遍的テーマとして提示する作品である。

豆知識

  • 炭鉱夫の父と教養ある母という家庭は、ロレンス自身の生い立ちそのもので、半自伝的な小説である。
  • 出版時に編集者エドワード・ガーネットの手で約1割が削られた。削除部分を戻した完全版が出たのは1992年だった。
  • 執筆中、ロレンスは大学時代の恩師の妻フリーダと駆け落ちし、のちに結婚した。

日本語で読むなら

  • 『息子と恋人』小野寺健・武藤浩史訳ちくま文庫・全2冊

この作品が好きなら

  • ミドルマーチ(ジョージ・エリオット)

    イギリスの地方社会と家族

  • 灯台へ(ヴァージニア・ウルフ)

    同時代のイギリス小説。家族と母親の存在が中心にある

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