20世紀・アジア・中東・アフリカ
山の音
- 作者
- 川端康成
- 国・地域
- 日本
- 言語
- 日本語
- 成立
- 1954年
あらすじ
川端康成の『山の音』は、老境に差し掛かった男小野が、家族の崩壊と死の気配を前に抱く感覚を描いた小説である。老いと孤独の中で、彼は嫁と息子の不和、娘の苦悩を見つめつつ、自らの人生を回想する。山の音は死の到来を象徴し、自然の静謐と人間の不安が交錯する。川端は抒情的かつ簡潔な文体で、世代間の断絶と人間存在の儚さを表現した。戦後日本の不安定な時代背景の中で、家族と個人の在り方を問い直す作品である。『山の音』は、死と生の境界に立つ人間の感覚を繊細に捉えた川端文学の代表作の一つである。
豆知識
- 1949年から1954年にかけて、複数の雑誌に章ごとに発表された。
- 1954年に第7回野間文芸賞を受賞した。
- 同じ1954年、成瀬巳喜男監督、原節子・山村聰の出演で映画化された。
日本語で読むなら
- 『山の音(原文)』新潮文庫